税金・費用 不動産売却にかかる税金まとめ|宅建士がやさしく徹底解説
「不動産を売ったら税金ってどれくらいかかるの?」
「譲渡所得税って聞いたことあるけど、計算が複雑そうで不安…」
「3,000万円特別控除って何?自分にも使える?」
不動産売却を検討中の方が 必ずぶつかる悩み が「税金」の問題です。
数千万円の取引なので、税金の知識を間違えると 数十万〜数百万円の損 をすることも。逆に、特例を上手に使えば 税金がゼロ になるケースも珍しくありません。
この記事では、宅建士・賃貸不動産経営管理士の資格を持つ筆者が、不動産売却で発生する税金を 初心者にもわかりやすく まとめます。
結論:マイホーム売却なら多くの方が「税金ゼロ」
時間がない方のために結論からお伝えします。
✓ マイホーム売却で押さえるべき3点
- ✓ 売却益(譲渡所得)に対して譲渡所得税がかかる
- ✓ ただし「3,000万円特別控除」で多くの方は税金ゼロになる
- ✓ 確定申告は売却益が出ても出なくても必要(特例適用には申告必須)
つまり、 マイホーム売却の多くの方は税金ゼロ ですが、 確定申告だけは必要 ということです。
まずは無料査定で売却益を試算 →不動産売却で発生する税金の全体像
不動産売却で発生する税金は、大きく分けて以下の通りです。
| 税金の種類 | いつ払う | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約締結時 | 1万〜6万円 |
| 登録免許税(抵当権抹消) | 決済・引渡し時 | 1〜2万円 |
| 消費税(仲介手数料等) | 決済・引渡し時 | 仲介手数料の10% |
| 譲渡所得税・住民税 | 翌年の確定申告 | 売却益による |
売却益が出ない場合、 譲渡所得税はかかりません 。多くのケースで実際に課税される税金は印紙税・登録免許税のみです。
1. 印紙税(売買契約書に貼る)
どんな税金?
売買契約書に 収入印紙を貼って納める 税金です。契約書を作成した時点で発生します。
金額(軽減税率適用の場合)
| 売却価格 | 印紙税 |
|---|---|
| 100万円超〜500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 |
2027年3月31日まで は軽減税率が適用されます。一般的なマンション売却(3,000〜5,000万円)なら 1万円 が目安です。
2. 登録免許税(抵当権抹消)
どんな税金?
住宅ローンが残っている物件を売却するときに、 ローンを完済して銀行の権利を抹消する 手続きで発生する税金です。
ローン返済中は銀行が物件に権利(抵当権)を設定しているので、売却前にこれを外す必要があります。
金額
不動産1件につき 1,000円 (建物と土地で別々に1,000円ずつ)。
通常は 2,000円程度 で済みます。
司法書士報酬
手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、 1〜2万円の報酬 が別途かかります(合計:2〜3万円)。
3. 譲渡所得税・住民税(売却益に対する税金)
ここが一番複雑で、 大きな金額になる可能性がある 税金です。
譲渡所得とは?
不動産を売却した際の 「もうけ」 のことです。
📘 譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
※譲渡所得がプラスの場合に税金が発生
各項目の意味
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売却価格 | 物件が売れた金額 |
| 取得費 | 物件を買ったときの価格+諸費用 |
| 譲渡費用 | 売却時にかかった費用(仲介手数料・印紙税など) |
取得費がわからない場合
「30年前に買った家で、購入価格の記録がない…」という場合は、 概算取得費(売却価格の5%) を使えます。
ただし概算取得費は 取得費が低く計算される ため、税金が高くなります。可能な限り当時の売買契約書を探しましょう。
譲渡所得税の税率
譲渡所得税の税率は 物件の所有期間 によって変わります。
| 所有期間 | 区分 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 5年以下 | 短期譲渡 | **39.63%**(所得税30.63% + 住民税9%) |
| 5年超 | 長期譲渡 | **20.315%**(所得税15.315% + 住民税5%) |
「所有期間5年」は 売却した年の1月1日時点 で判定。例:2026年に売却するなら、2020年12月31日以前に取得していれば長期譲渡。
計算例
3,000万円で売却、取得費2,500万円、譲渡費用100万円、所有期間10年の場合:
🧮 譲渡所得税の計算例
譲渡所得 = 3,000万円 − 2,500万円 − 100万円 = 400万円
税金 = 400万円 × 20.315% = 約81万円
税金
約81万円
ただし、 マイホームなら次の特例で税金ゼロになる可能性 があります!
知らないと損する:3,000万円特別控除
どんな特例?
マイホーム(居住用財産)を売却 した場合、譲渡所得から 最大3,000万円が控除 される特例です。
計算式
🧮 3,000万円特別控除の計算式
課税対象の譲渡所得 = 譲渡所得 − 3,000万円
計算例(先ほどの例で適用)
🧮 3,000万円控除を適用した場合
譲渡所得 400万円 − 3,000万円控除 = 0円(マイナスは0扱い)
税金
0円
多くの方の譲渡所得は3,000万円以下なので、この特例で 税金ゼロ になります。
適用条件
✓ 3,000万円特別控除の主な適用条件
- ✓ 自分が住んでいた家屋・土地を売却した
- ✓ 住まなくなってから3年以内(の年末まで)に売却
- ✓ 売り手と買い手が親子・夫婦などの特別な関係でない
- ✓ 前年・前々年にこの特例を使っていない
詳しい計算方法と注意点は 3,000万円特別控除の専用記事 で解説予定です。
その他の主な特例
| 特例 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 軽減税率の特例 | 所有期間10年超のマイホーム売却で税率が下がる | 3,000万円控除と併用可 |
| 買換え特例 | 売却益への課税を将来に繰延べ | マイホームの買換え |
| 特定居住用財産の譲渡損失 | 売却損を他の所得と相殺 | 売却損が出た場合 |
| 被相続人の居住用財産の特例 | 相続した空き家の売却で3,000万円控除 | 相続物件 |
確定申告の流れ
確定申告が必要なケース
| ケース | 申告 |
|---|---|
| 譲渡所得がプラス | 必須 |
| 譲渡所得がマイナス(売却損) | 任意(特例で還付の可能性あり) |
| 3,000万円特別控除など特例を使う | 必須(特例適用に必要) |
必要書類
✓ 確定申告に必要な主な書類
- ✓ 確定申告書(B様式)
- ✓ 譲渡所得の内訳書
- ✓ 売却時の売買契約書のコピー
- ✓ 売却時の仲介手数料の領収書
- ✓ 購入時の売買契約書のコピー
- ✓ 購入時の諸費用の領収書
- ✓ 登記事項証明書(売却した不動産分)
- ✓ 住民票(特例適用の場合)
申告期間
売却した翌年の2月16日〜3月15日 に税務署へ提出。
国税庁の e-Tax を使えば自宅から完結します。書類のスマホ撮影で添付できるので非常に便利。
よくある質問(FAQ)
Q1. 売却益が3,000万円以下なら税金ゼロですか?
A. マイホームなら 3,000万円特別控除を適用すれば多くの場合ゼロ になります。ただし 確定申告は必須 なので忘れずに。
Q2. 親から相続した家を売る場合、税金はどうなる?
A. 取得費は親が買った時の価格 を引き継ぎます。書類が無い場合は概算取得費(5%)を使います。 また、相続した空き家には 被相続人の居住用財産の特例(3,000万円控除) が使える場合あり。
Q3. 確定申告を忘れたらどうなる?
A. 延滞税が発生 します。延滞税は最大年率14.6%。さらに無申告加算税15〜20%も。 期限内申告が鉄則 です。
Q4. ふるさと納税を使えば節税できる?
A. 確定申告で売却益が出る場合、 その年の所得が増える ので、ふるさと納税の上限額も増えます。結果的に節税効果あり。
Q5. 税理士に依頼すべき?
A. マイホーム売却の3,000万円控除を適用するだけなら 自分でe-Taxで完結可能 。ただし、買換え特例・複数物件の売却・複雑な相続案件などは税理士に相談するのが安全。
まとめ:押さえるべき3つのポイント
✓ 不動産売却の税金で覚えるべき3点
- ✓ マイホーム売却なら3,000万円特別控除で多くの方は税金ゼロ
- ✓ ただし確定申告は必須(翌年の2月16日〜3月15日)
- ✓ 取得費の書類は絶対に捨てずに保管
税金は専門用語が多くて難しく感じますが、実際は 「マイホームなら多くの方は実質ゼロ+申告だけ忘れずに」 で済みます。
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